練馬区の動物病院 練馬セイブペッツ
《緩和ケアについて》
緩和ケアとは、
手術や抗癌剤治療といった積極的な(負担・リスクを伴う)治療はせずに対症療法で症状を軽減させることを言います。
例えば、
癌の増悪に伴い嘔吐が認められる場合に対症療法として制吐剤(吐き気どめ)を与えることで気分が楽になり、嘔吐をコントロールできるというのが緩和ケアになります。
他にも、食欲増進剤、止瀉剤(下痢止め)、鎮痛剤(痛み止め)、鎮咳剤(咳止め)、抗菌薬(化膿止め)などを使用し、
病気によって現れる症状や苦痛に対してできる限り対応していくことになります。
ステロイド剤は炎症や痛みを和らげたり、食欲を増進する効果があるため、緩和ケアの際にはよく使用されますし、痛みについてはNSAIDs(バファリンやロキソニンのような解熱鎮痛剤)も有効です。
呼吸が苦しい時にはご自宅にレンタル酸素室を準備することができます。
脱水症状を起こしているときの点滴治療も気分が楽になります。人だと点滴は血管に注射しますが、犬や猫では皮下点滴というやり方で短時間に水分を補給することができます。
緩和ケアでは栄養管理も重要です。
食事が取れないと体力も落ち、脱水症状も出るのでより消耗してしまうからです。
脱水症状は点滴によって改善できますが、栄養やカロリーは口から摂取するしかありません。
嗜好性が高い(美味しい)食事を準備したり、流動食をシリンジで食べさせてあげたり(強制給餌)、フォローが必要になってきます。
最終的には病気の進行により、食事を何も受け付けなくなることもあり、
強制給餌をしても嘔吐してしまうなど厳しい状況になることも少なくないです。
病気が進行するにつれて、対症療法でできることにも限りが出てきてしまい、
病気の進行を見守ることしかできない状況になってしまい、悔しさとと医療の限界を思い知ります。
癌という病気はとてもとても恐ろしく残酷な病気で、穏やかに眠るような最後を迎えることは難しいかもしれません。
ですが、最後を迎えるときにも後悔はないという気持ちで居られるように自分のペットのことをサポートしてあげることが緩和ケアになると思います。
当院でも緩和ケアをする際には少しでもお力になれるように精一杯サポートさせていただきますので、一緒に頑張らせていただけますと幸いです。