練馬区の動物病院 練馬セイブペッツ
《抗癌剤の副作用について》
抗癌剤には治療効果がある一方で、副作用についても考えなければいけません。
抗癌剤の副作用に関してはどのような印象をお持ちでしょうか。
・吐き気が強い
・食欲が落ちる
・元気がなくなる
・散歩にも満足にいけなくなる、、、
などネガティブな印象をお持ちの方も多いかと思います。
抗癌剤という性質上、「副作用がない全くもって安全な治療」ではないのは当然です。
抗癌剤の主な副作用としては
・活動性・食欲の低下
・嘔吐、下痢
・白血球数減少(血液検査)
など、が挙げられ、重度な副作用が生じた場合には入院が必要な場合もあります。
病気を抑えるためには多少の副作用は仕方がないと割り切ろうとしても、
副作用で吐いて、下痢して、満足に食べられなくて、
ようやく回復した頃に次の抗癌剤がやってきて。
の繰り返しでは病気の治療をしているのか副作用で苦しめているのか、何が何やら分からなくなり、本末転倒です。
飼い主様のお考えにもよりますが、
副作用によりきつい思いをしながら1日でも長く延命させるような闘病生活を自分のペットに望まれる方は少ないと思います。
そのため、動物における抗癌剤治療の目的は、きつい治療による延命治療でなく、
「病気を抑え込むことによってペットの生活の質が高い状態をできる限り長期間維持すること」だと私は考えています。
副作用のリスクをできる限り最小限にしつつ、それでいて病気の進行も抑え込むような、
その子その子に合わせた微調整が常に必要になってきます。
基本的に抗癌剤は投与量を増やすことで治療効果が高まり、副作用リスクが増していきますが、
逆に投与量を減らすと治療効果は落ちるものの、副作用のリスクは軽減されます。
つまり、用量調整によってある程度のリスク管理が可能です。
加えて、抗癌剤治療中は、
・その時点の病状
・前回投与した抗癌剤の体への影響
・臓器障害の有無
・併発疾患
・飼い主様のお考え(どのくらいの副作用リスクを受け入れられるかなど)
などによって抗癌剤の選択や用量調整を常に意識しながら慎重に治療を進めていきます。
こういった微調整を行うことで、個人的な経験の範囲では、
抗癌剤の副作用できつい思いをさせてしまうことは少なく、
抗癌剤治療中も通常の生活を送れることが多いです。
とはいうものの、いくら注意したとしても個体差によって重度の副作用が生じてしまい、
入院治療が必要なる場合も10%程度の確率ではありますので、
ある程度のリスクがあることを十分に考慮してから抗癌剤治療に進まれるのが良いかと思います。
ちなみに、人で認められる抗癌剤による脱毛は動物だと発生頻度が少なく、
多くは毛質が変わる、ヒゲが少なくなるなどの変化に留まります。
稀に全身の毛が抜けてしまうこともありますが、特定の犬種(シーズー、プードル、マルチーズなど)で起こる印象です。
抗癌剤治療を中止すると毛は生えてきますが、
元の毛色よりも濃く生え変わってくるので(経験的には元の毛色よりも茶色味が強くなります)
毛が生えてきたときにも見た目の印象が変わってしまうことが多いです。
「見た目が変わっても平気です、この子はこの子なので」と飼い主様からおっしゃっていただきますが、
上記の犬種で抗癌剤治療をされる際には毛が抜けけてしまうかもという心の準備をしておいた方が良いかもしれません。
その他にも、
・膀胱炎に注意が必要な抗癌剤
・心臓に負担がかかる抗癌剤
・吐き気が強く出る抗癌剤
・肝臓・腎臓に負担がかかる抗癌剤
など、特徴的な副作用を持つ抗癌剤もあります。
抗癌剤を使用される時には特殊な副作用がないかの確認をした上で治療に臨むのが大切になります。